中学入試日まで残すところ40日を切りました。今回は、残された時間の勉強方法について再確認します。受験生には日頃から伝えていることですが、ご家庭の方にも確認していただくことを目的にこの記事を掲載いたします。
最近の質問室の様子は、私達の指示通り、理科や社会に取り組んでいる姿が多くなりました。残された時間で何を行うのか、どのような気持ちで日々過ごすのかにより、大きな差が生まれると思います。大事な最後の追い込みでは、今まで以上に計画的に、そして志望校合格へ向けて強い意思で日々の学習に臨まなければいけません。
【確認①】
家庭学習においての算数は、計算問題と入試でも小問集合群として出題される一行問題レベルのものにとどめ、時間がかかってしまう難問は扱わないことです。これから先は算数に多くの時間を費やさず、他教科を優先させましょう。しかし、算数の感覚を鈍らせてはいけませんから、毎朝、計算練習は数分程度行ったり、特珠算の確認をすることをお勧めします。
【確認②】
国語に関しても、算数同様、物語文や説明的文章の読解にかける時間は担当の指示レベルにとどめ、それ以外は漢字やことわざ、四字熟語、故事成語など、ことばの習得に徹しましょう。中学入試においての漢字やことばの問題の配点は極めて高く、ここでの得点の上積みが合否のポイントになります。読解や記述はテクニックが必要ですから、授業や記述対策講座で集中して取り組むこととし、担当の指示通りの解法をマスターするように努めましょう。
【確認③】
現時点で伸びしろがあるのは、間違いなく理科と社会です。残念ながら、算数や国語の学力は既に固定されており、アドバイス①・②のように、基本事項の確認を行ったり、取りこぼしを防ぐための作業に徹していくしかありません。これに対して、理科と社会はやればやるだけ得点の上積みが期待できる科目です。入試配点での比重は算数や国語の方が高い学校が多い訳ですが、合否は総合力で決まります。残された時間を何に力を入れていくのが得策かを考えた場合、伸びしろのある科目に時間を掛けていくことが総合力アップの近道であることは疑う余地はありません。それをぶれることなく、やり続けることが大切です。
今までは、他教科の担当に理解をいただき、第一に算数、次に国語といった序列で、その取り組みを勧めてきました。それは、論理的にものを考えていく大切さを養ったり、段落ごとに要約しながら深く文章を読み進めていくといった、一朝一夕では身につけることのできない作業を優先させる必要があったからです。しかし、その段階は既に終了し、今は入試に向けてまとめの段階へと移行している時期です。
最後の追い込みにかけるこの時期、何に重きを置いて取り組むのが良いかは上述の通りとなります。それぞれの志望校合格に向けて、最善の努力ができるよう、残された時間に関しても後押しをしていきたいと思います。(二宮)