子どもには嫌な思いをさせたくないと思うのは親の心情として当たり前の事です。子どもにはストレスを与えない、好きなことを好きなだけやらせてあげたい。食べ物しかり習い事しかりおもちゃしかり勉強しかりと。よくマスコミ等で取り上げられる自由放任主義が功を奏する的なサクセスストーリーには甚だ疑問を感じます。自由とは責任だとよくいわれることですが、責任についてどのタイミングでどのように身につけていくのでしょうか。好きなこと、好きなものを好きなだけ与えられた子どものどこに責任を身につける瞬間が訪れるのでしょうか。経済的な事情や住まいの環境など理不尽なことで好きなことを満喫することができない子どももいます。その事を理解するための手段が学習であり、社会経験であると私は思います。子供の判断力がまだ十分に育ちきる前にそれを尊重することには些かの危険を孕んでいるのではないでしょうか。
勉強をしたくない、習い事に行きたくない、野菜を食べたくない子供の本心は必ずあります。ですが、それを諸手を挙げて受け入れるのが本当の親のあり方なのでしょうか。もちろんアレルギーやいじめ問題など加味すべき点はありますが、本当に子供を思うなら鬼にも成る覚悟は必要なのではないでしょうか。 (吉川)