先日行われた、公立高校の理科の入試問題の分析結果を報告します。
 問題の構成は、大問が8題、前半の4題が各分野の雑問形式、後半の4題が各分野からの実験や観察に基づく問題と、例年の形式を踏襲した形になっています。
 配点も、前半の4題が各9点、後半の4題が各16点となっていて、結果物理・化学・生物・地学の各分野25点ずつの配点となり、これも例年通りでした。ただし、小問の中に複数の解答箇所が設けられた問題は、今までは完答だったのが、それぞれに配点が与えられました。これによって、若干平均点は上がることになるでしょう。
 それぞれの問題の内容は、表をご覧いただきたいと思います。表中☆欄は難易度を独断で判定したものです。(A:易しい B:難しい) 

 今年の問題の中で「これは…」と感じたのが、問7の(エ)の遺伝に関する問題です。まず題材が、おそらくどの受験生も見たことがないであろう「モルモットの毛」に関するもので、2つの形質を合わせて考えなければならないというものでした。正解を出すためには4×4の表を完成させる必要があることになり、おそらくどの受験生も苦戦したことと思います。全体的に「難問」は昨年よりも数が減った様に感じていますが、終盤に配置されたこの問題に時間を費やした受験生が多かったのではないでしょうか。
 「難問」が減ったと同時に、「サービス問題」といえるような易しい問題も少なくなったように思えます。配点の変更と合わせてこのあたりが全体の平均点にどう影響が出るのか、今後の発表を見てみたいと思います。(榎原)