今週から10月に突入し、県内の中学を受験する児童は本番まで4ヶ月を切りました。今までは基礎を固める学習とか弱点分野の克服とかに多くの時間を費やしてきたと思いますが、そろそろ受験校の過去問題を使って、相手を知るという時間に切り替えていかなければいけない時期となりました。
 毎年、親と子の私立中学受験講座第Ⅱ部を開催させていただいていますが、この日の準備のために必ず近隣中学数十校分の直近の入試問題に触れ、細かい分析をしています。そこで感じることは学校ごとに問題の特徴があるということです。各分野全体を広く浅く出題して算数の知識を確認してくる学校もあれば、計算問題は一切出題せず、思考力を大事に考え、意識的に出題してくる学校もあります。女子校を中心に途中の過程を大切に考え、そのような出題形式を取っている学校もあります。
 このように各学校は「こんな生徒に入学してもらいたい」という考えの下で作問しているので、ただ漠然と過去問題をとくのではなく、各学校のメッセージをしっかり受けとめながら、きちんとした対策を立てていかなければなりません。
 今年も私の担当している受験生にはオリジナルテキストである「○○中学の算数」を一人一人に配布し、既に取り組んでもらっています。入試本番までの時間は少なくなってきましたが、それでもまだ時間はあります。今まで解けなかった問題が一日一つ解けるようになれば、4ヶ月で160個そのような問題を増やすことができます。実際には一つ解けるようになれば派生的に解ける問題が増やせていけるはずなのでその何倍もの力がついていることになります。一日24時間という物理的な部分は皆同じなので、気持ちを入れて使える時間を有意義に過ごしていっていただきたいと思います。(二宮)