昨日のブログ記事で青山先生が学校の社会の進度について心配されていました。他教科担当の素人である私から見ても「本当にこれで入試に間に合うの?」と心配になります。
 数学の進度に関しては私の担当している生徒の学校ではほぼ順調であると言えるでしょう。しかし、これは一年間かけて教科書を終えるにはほぼ順調であるという意味です。実際、中3数学では式の展開、因数分解から始まり、平方根、2次方程式、2次関数を経て、相似な図形、円周角定理、三平方の定理と進みます。問題なのはこれら全ての単元が公立入試に出題され、しかも中3内容は全体の60%ほどの配点で組み込まれているということです。ということは、一年間かけて教科書を終えるだけでは済まされないことになります。ある程度余裕を持って教科書内容を終わらせ、入試対策に充てる時間を捻出しないと入試問題に対応できる実力は養成できません。
 このようなことを考えますと、学校の数学の進度も十分ではないと言わざるを得ませんが、公立学校の現状を考えますとこれが精一杯なのかもしれません。ただでさえ日々雑務に追われている公務員である公立学校の先生方に追加で放課後の補習まで強要することは不可能に近いでしょう。こうなると学習塾に通える経済的に恵まれているお子さんは本当に恵まれていると思いますが、そうでないお子さんも多くいることを考えますと現状でやむを得ないと簡単に片付けてしまうことはできないのではないかと思います。
 私のお師匠さんにあたる方が行っている「ご恩塾」(経済的に困難なご家庭のお子さんを対象に無償で勉強を見ている塾)があちらこちらに存在している訳ではありませんし、ボランティアで地域のお子さんを見ている寺子屋的な場所があることは耳にしたことはありますが、それでも十分な数がある訳でもありません。1日24時間皆平等にあるとは言え、家庭間の経済的格差は子供たちにはどうすることもできません。私立高校無償化もいいと思いますが、将来のある更に下の代の子供たちの教育環境保障も政府として手厚いものにしていっていただけたらと考えます。
 一方で、塾に通っている子供たちの方ですが、中には計算テスト直しをしない、宿題は未提出のままにしているなど何をしに塾に来ているのであろうという児童、生徒もいます。もちろん、全員ではないのですが全く情けない話です。もちろん、私にも責任の一端があるのでこれではいけないと思っていました。昨日の話になりますが、中3と中2の授業で前期中間テストが終了したグッドタイミングなので、夏前までに中途半端になっている課題類をすべて終わらせる強化月間と位置づけ、全員に頑張ってもらうことにしました。その話の中で塾に通わせてもらっていることを当たり前と思わず、家族の方に感謝しつつも、その上で自分の目標に向けて最大限の努力をしようとかなり説教じみた内容になってしまいました。生徒達は神妙な面持ちで耳を傾けてくれていたので、今後の学習姿勢に大いに期待したいと思っています。(二宮)