今週は神奈川県の公立高校の入学試験がありました。まだ合否は確定してはいませんが、とりあえず受験生の皆さんにはお疲れ様と労いの言葉を掛けたいと思います。さて、私の担当する国語の本年度問題について見ると、出題されている大問の数は五つで例年通りといえますが、それぞれの大問の中の小問数が変わっていました。また大問出題順も変わっていました。
 詳しく見ていくと、大問の一ではアの問題で漢字の読みを答える問題が出題されました。これは例年通りなのですが、解答の仕方が変わりました。昨年までは平仮名で解答用紙に記入でしたが今回はマークシートで答える4択式に変わっていました。全体を見わたしても文字で答える設問は大問の五の「資料の読み取り」の三十字以内のみでした。また、かつては大問の一に組み込まれていた文法の問題は大問の三の小問として組み込まれていました。従って大問一の小問数は例年よりもマイナス一となったことになります。イの共通漢字選び、ウの短歌の説明は昨年通りでした。
 大問の二は文学的文章で久しぶりに現代の高校生を主人公にしたものでした。設問数は六問で難度も例年通りと言えそうです。
 大問の三は説明的文章で言葉の道具としての本質を論じた文でした。実際に受験した国語の良く出来る生徒の感想では大変難しかったと言っていました。確かに中学生にとっては文章に使用されている語句の難しを感じたのではないかと思われます。設問数もプラス一となりここで時間のペース配分が狂わされた生徒もいたのではないでしょうか。
 大問の四は古文でした。例年大問の二として前半に配置されていましたが、今年は昔のように後半に配置されていました。生徒たちには古文はテストの序盤に説くよう指導していたので、その通り実践できた生徒は大問の三に惑わされなかったのではないでしょうか。難度は例年通りかやや難しくなっていたかもしれません。
 最後の大問の五は例年通り「資料の読み取り」でした。アはグラフや資料から読み取れることを選び、イでは発表者の一人に成り代わって発表する内容を考える問題で唯一の記述ですが、難度はそれ程ではありません。柱を二本押さえて書ければ問題ありません。
 全体としては大問の三の出来で大きく差が付く結果になったのではないでしょうか。例年と比べてやや難しかったと言えるかもしれません。(吉川)