五木寛之さんが買い物について寄せたエッセイを読みました。五木さんご本人は良く熟考して吟味を重ねて決断するタイプであり、買い物に対して気っ風のいい人を羨ましく思うようなことが書かれていました。私としては五木さんレベルの作家であれば、お金には糸目をつけず、欲しいものは言い値でポンポン買い物を楽しんでいそうな気がしたので意外な気がして読んでいました。
その中で買い物には旬があると書かれていました。その瞬間にしか出会えない品物があり、その機会を逃さずに即決する能力が欲しいものだという主旨が書かれていました。その文章を読む前に私にもその機会が訪れていたことに思い至りました。
それは近所のホームセンターの一角でベッドの展示販売がされていた会場でのことです。私個人としては特にベッドが欲しいわけでも無かったのですが、セールスマンの口上につられてまんまとベッドに横にならされてしまいました。私にとっては法外と思えるそのベッドの金額に驚きながら、腰痛持ちの私には抗えないようなその寝心地に購入を即断してしまいました。
家にそのベッドが届いて二週間が経ちますが、今まで感じていた目覚めの何処かしら痛い感が全く消えてしまいました。今のところ良い買い物をしたと大変満足していますが、いつか鬱積している痛みが一度に襲ってくるのではないかと少し恐怖を感じています。その辺が本当の買い物上手とは言えないところかもしれません。     吉川