前々回の記事で竹内まりやさんの曲について自分勝手に触れましたが、実はTWICEやNiziUも好んで聞いています。とにかく気になるものがあれば手当たり次第にかじってみてそれにはまると同じ曲を何回も聴いてしまうという傾向があります。これは映画やドラマにも同じことが言え、家人からは「またそれ見てるの?」とよく飽きられます。
 そして、昨年から「小説を音楽にする」というユニットであるYOASOBIも聴くようになり、最近出された「大正浪漫」にはどはまりしています。この間の土曜日は台風の影響で出かけることもできなかったので、朝食を済ませた後から3時間ほどずっとリピートして曲を流し続けて聴いていました。作詞、作曲を手掛けているAyaseさんは26歳と若いのですが、しっかりした方でまた強い意志も感じられ、人としてとても惹かれるものがあります。ボーカルのikura(幾田りら)さんは最近20歳を迎えられたばかりのチャーミングなお嬢さんで、声がとても綺麗で魅力的です。
 そのikuraさんですが中学・高校は都内にある明星学園の出身だそうです。なぜ、この話題に触れたかというと、20年くらい前に説明を聞きに学校を訪れたことがあったからです。教室の受験生の一人がこの学校を考えているということを知り、過去に受験生はいなかったし、学校自体も全く知らなかったので、明星学園に問い合わせて説明を聞かせてもらうことにしました。
 明星学園は、湘南台から小田急線で下北沢駅まで行き、そこから京王井の頭線に乗り換えて、井の頭公園駅で下車し、更に徒歩で10分ほどの場所にありました。実際の経過時間以上に遠く感じました。まだ学校の説明も何も聞いていない状態でしたが、とにかく第一印象は「湘南台からは遠い。6年間の通学はきついけど大丈夫なのか?」でした。学校からの説明を聞くと自由な校風の印象を受けましたが、いろいろと魅力があることもわかりました。また、小規模な学校なので、細かいところまで目は行き届いているようでしたが、一方で、ユニークな授業を展開しているが故に果たして大学の一般入試は大丈夫なのかと感じさせる部分もありました。それでも、学校が行っている学習の根幹に当たる部分を大切に考え、それをぶれずに継続して行っているということは一番の魅力に感じられました。(※当時の話)
 結局、その生徒は明星学園ではなく、校風が似た別の学校を受験し、そこに進学しましたが、偏差値にとらわれず、自分の子どもの性格を考えた上で、学校選択されたことはとても共感が持てました。
 9月もあと少しで終わろうとしています。そろそろ受験校を絞り始めなければいけない時期となりました。中学受験指導をかれこれ30年ほどしていますが、長い歴史の中で考えると、受験校の選択を偏差値だけで決めてしまっているケースも少なくありません。過去にはこちらの話やアドバイスに一切耳を傾けていただけず、悔しい思いをした経験もありました。今年の受験生とそのご家庭は昨年同様、コロナ禍の中で大変な状況ではありますが、是非、学校のことをしっかり知り、理解し、お子様のことを考えた上での志望校の選択を行っていただきたいと思います。
 因みに明星学園中学は偏差値で判断すると30~35ほどですが、前述のikuraさんは中学から大好きな音楽活動を続け、学校行事も率先して参加した上で、大学は現役でMARCHレベルに合格しています。とても充実した学園生活を送れたということを何かの番組で仰っていたことを思い出しましたが、ikuraさんの場合は明星学園の教育方針や雰囲気が合っていたということなのでしょう。受験生の皆さんもそのような学校に巡り逢い、今後の受験勉強の活力に繋げられればいいですね。(二宮)