小学校の英語が必修科目となって初めての卒業生つまり新中学1年生が進学を果たします。昨年までの新中学1年生の英語のカリキュラムではアルファベット、ローマ字、あいさつ、簡単な英単語などが数十ページにわたって導入単元となっていましたが、それが本年度はわずか数ページで終わってしまいます。そして、いきなりbe動詞と一般動詞が同時に登場してきます。以前はそれぞれ区別して学習されていた単元が同時に学習されるのです。それだけの知識や経験を持って全ての生徒が新中学1年生になってきているのか、果たして小学校で目標とされる300~600の英単語を身に付けてきているのか甚だ疑問です。幸い、今年入塾してきてくれた新中学1年生の生徒たちは優秀で、アルファベットの大文字、小文字や発音など十分に身に付けてくれています。しかし、そんな彼等であっても単語を書くことに関しては今ひとつ精度を欠くようです。スペルに対しての意識はかなり希薄であると言わざるを得ません。この流れを受けて中学ではどのように英語の授業を進めて行くのか、非常に興味深いものがあります。実際に指導される先生方の苦労も思いやれますが、何よりも英語について行けない生徒や英語嫌いになってしまう生徒が増えるのではないかと危惧してしまいます。誰のための改訂なのか、あらゆる事を想定して移行していかないと、その効果は薄れてしまいかねません。(吉川)