先週で中学受験コース6年生の父母面談が一通り終了しました。主だった面談の内容は志望校の選定というよりは今後の学習内容の質問やご相談が多かったように思います。その中で特に多かったのが過去問の取り扱いについてでした。
9月までは基本内容の確認を中心に取り組んでもらっていました。あまり早くから過去問題に手をつけてもほとんど得点できず、合格最低点との圧倒的な差で自信を失いかねないので、過去問の取り組みは早くても10月からということでお願いしてきました。
そのようなこともあり、10月に入ってから徐々に過去問に取り組み始め、結果が目に見えてくるといろいろと上手くいかなかったり、やり始めたはよいけれど、これでいいのかという不安などもあったようです。
ここで、過去問の取り組みについていくつかのポイントをお伝えしておきます。
①基本的に志望校順に解くことをお勧めします。過去問題に割ける時間はあるようで意外と少ないのが実状です。少しでも時間のあるうちにしっかり過去問と向き合い、きちんと対策を立てることが大切です。ただし、第一志望校が現在の自分の実力と差が大きすぎる場合は第二志望校から解くようにするのがよいでしょう。
②過去問題を解く場合は、本番さながらの状態で取り組まなければなりません。本番を想定して落ち着ける環境でベストが出せる状態で臨むようにしましょう。そして、必ず時間を計って取り組んでください。時間配分を考えることも戦略の一つです。
③解答用紙は本番と同じ大きさで取り組みます。声の教育社などの解答用紙は縮小してありますから、例えば「141%に拡大してコビーする」などの指示に従って本番と同じ大きさの解答用紙で解くことがベストです。解答欄の大きさにも慣れることが必要です。
④必ず解き直しをしましょう。解き直さなければ弱点部分の補強をしたことにならないからです。しかし、見直しの細かさは科目にもよると思います。例えば、国語はさらっと見直す程度でよいと考えます。国語は同じ文章を何度も解き直すよりはいろいろな文章に触れる方がよいと思うからです。逆に算数は同じ問題でも繰り返し解く必要があります。間違えた問題でも論理がわかっていないと正しい解答に辿り着けません。そのための反復練習は大切です。ただし、入試問題はかなり難しいものも含まれていますから、すべて解けなければいけないという訳ではありません。難度の高い問題、解答に辿り着く過程が複雑な問題に関してはどのように考えるのかという解法がわかれば十分だと思います。その判断は担当に相談されるとよいと思います。
⑤志望順位の高い学校は最低でも3年分は解きましょう。目安としては第1志望校なら過去5年分、第2志望校は過去3年分、その他は2年分は解いておきたいところです。滑り止め校でも1回は目を通しておくことをお勧めします。
⑥得点結果は表などを作って記録を残しておきましょう。
中学入試問題は学校ごとに出題傾向や出題形式が異なります。基本問題を中心に幅広い知識を要求してくるとか、思考力を問う問題を中心に出題してくるとか、選択肢問題はほとんど出ずに記述が多いとか、難問が多めに出題されるとかなど、学校によって様々です。過去問題を通じて学校側がどのようなお子さんに入学して欲しいのかというメッセージが顕著に伝わってくるのが中学入試問題の特徴です。このようなことを肌で感じながら、時間のある限り、過去問題を解いて解いて解きまくって準備を進めてもらいたいと思います。(二宮)