4月に棋士の羽生善治先生の講演に参加させていただきましたが、今回は宇宙飛行士の山崎直子さんの講演を申し込み、参加してきました。少し前に女性宇宙飛行士候補生の米田あゆさんのニュースが取り上げられましたが、宇宙飛行士も男性に対して女性の割合がとても低く、山崎さんがなぜ宇宙飛行士になろうと思ったのか、どのようなご苦労をされて夢の一部を達成されたのかに興味を持ち、応募させていただきました。
榎原先生や青山先生ほど宇宙や星に詳しくもなく、知識も浅いのですが、以前からこのようなことに興味はありましたから、Newtonという雑誌で宇宙などが取り上げられていれば必ず購入し、今でも時間のあるときには手に取ったりしています。
講演では、山崎さんの温厚な性格が話し方にも表れており、心地良いもの言いと分かりやすい説明は時間の経過を忘れさせるものでした。山崎さんの宇宙への興味は宇宙戦艦ヤマトや銀河鉄道999だったり、プレネタリウムだったりと、世間一般の方と入りは同じなんだということには嬉しさを覚えましたが、そこからどのように形にしていくかという話は興味深く感じられました。今のようにネット環境もない時代でしたから、どうすれば宇宙飛行士になれるのかもわからないところからのスタートだったそうです。とりあえず、大学で宇宙工学を専攻するところから始めたそうですが、「宇宙空間にスペースホテルができたらいいな」という夢を持ちながら勉強していたという話でした。その後は、JAXAに就職したり、筑波宇宙センターで国際宇宙ステーション(ISS)の開発に携わったりと、皆さんがご存知のご活躍をされました。
お話の中で、幾つもの興味深い内容や驚かされたりしたものがありました。その中で私が特に驚かされたものが2つあり、1つ目は宇宙船の中で何が起こるか分からないので、それを想定して様々のことをできるように準備しておかなければいけないということでした。たとえば、病気になったりすることもあるので、注射や点滴などは自分でできるように練習しなければいけないのだそうです。虫歯になれば場合によっては自分でペンチを使って抜歯しなければいけない状況もあるので、そのようなことを想定した練習もしたということでした。2つ目は、宇宙から戻ってくるときの話です。帰還するときは海に落ちることもあるし、雪の上に落ちることもあります。そのときに3日間ほど迎えに時間がかかる場合もあるので、その間は自分達で生き延びていかなければならず、そのときの生々しいエピソードには驚かされました。てっきり予定の場所に無事着いて、「おかえりー」と歓迎されているものだと思っていましたが、全く違っていたので、そのようなギャップもあり、かなり驚いた内容でした。
自分の知らない世界の話を聞くということはとても楽しいことです。今回参加された方は白髪交じりの年配の方が多く見られました。3連休の最中ということもあったからでしょうか。このような貴重な話はもっと若い世代の方に聞いてもらったほうがいいなという気がしました。年配の方々は自分が生きている間に宇宙はここまで身近になったのかと感慨深げに話を伺っていた方もあったでしょう。それはそれでいいのかもしれませんが、次の山崎さんのような方が多く表れるためにもこれからの人達に今回のような経験談を聞く機会を持ってもらいたいと思います。有人宇宙時代になり20年以上が経過しています。アラブ首長国連邦では「Mars2117計画」が始まっているそうです。火星に60万人が移住できるようにするという計画らしいです。これから100年後のことですが、きっとそのような時代がすぐにくるのでしょうね。(二宮)