中学の国語の授業では各学年で古文の学習を行います。中学一年生が「竹取物語」、中学二年生で「平家物語」「枕草子」「徒然草」、中学三年生で「奥の細道」とそのジャンルは物語、軍記物語、随筆、紀行文と別れており、それぞれの学年で各ジャンルを学習し、総合的な古典の学習に繋げていくという狙いが窺えます。私立の学校も公立の学校も文科省の定める学習指導要領に基づいて指導を行っているのですが、その内容には大きな開きがあります。
公立の中学校では文法的な学習というのはほとんどされていません。せいぜい「係り結び」や「打ち消しの助動詞」といったところです。品詞や同品詞内での識別などはまず説明しないというのが現状です。一方、私立の中学校では公立の高校で扱うような古典文法の学習が行われるのが普通のようです。同じ中学生でも私立と公立ではその学習深度が違うということは周知の事実ではありますが、その違いの状況を目の当たりにすると色々と心配になってきてしまいます。
全てにおいて私立の学校が優れているとは思いませんが、学習の質においては、もう少し均等になるような仕組みは必要なような気がします。(吉川)