今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、生徒行事であるいくつかの社会見学会は何も行えていません。その生徒行事の一つで、夏休み講習会期間中と重なる8月第4土曜日に行われる国立天文台野辺山の特別公開に今まで何度も参加させていただきました。最近は参加希望者が少なく、3年ほどご無沙汰になっていますが、私も3回訪れ、巨大望遠鏡の写真を撮ったり、職員の方の仕事ぶりや研究の成果の話を聞かせていただいたり、帰りに高原野菜を買って帰ったりするなど、貴重な体験をしてきました。
先日、太陽専門の電波望遠鏡である野辺山電波ヘリオグラフの運用が2020年3月31日を以て終了したということをネットニュースで知りました。私達が特別公開日で主に見学した45m望遠鏡は夏の間は観測を止めて保守点検に回るそうです。だから特別公開日が設けられている訳ですが、ヘリオグラフの方は1日8時間ほぼ毎日、そして28年間太陽をずっと観測し続けてきたということですから驚異的な話です。
太陽表面では時々爆発が起こり、非常に高速の電子が作られ、この電子が黒点の磁場に巻きついて強い電波を出します。この電波をとらえて、高速の電子が作られる原因、さらに爆発の原因を明らかにするのが電波ヘリオグラフの主な観測目的です。そのほかにも、太陽から飛び出すプラズマの様子をとらえることもでき、地球のまわりの宇宙空間天気予報にも役立っているそうです。(※国立天文台のホームページより借用)
今後、84台のアンテナがどうなるのか気になるところですが、コロナ禍の中ひっそりとお役目を終えたヘリオグラフにお疲れ様でしたとお伝えしたいと思います。(二宮)