2025年2月14日に県内公立高校共通選抜入試が行われました。受検生の皆さん、お疲れ様でした。2月28日の合格発表までは落ち着かない日々を過ごすことになりますが、まずは 自分の持てる力が最大限に発揮されていれば幸いに思います。

 さて、今回発表された入試問題を受けて、科目担当として数学の問題分析を行いたいと思います。

 全体として出題傾向等に大きな変化は見られませんでしたが、大問によっては出題数の増減があったり、配点に多少の変化が見られました。問題の難易度に関しては、多少(5点ほど)平均点が下がるかなといった印象ですが、もの凄く難しくなったというようなものではなかったと感じています。ただ、確率やデータの活用の問題では解を導くための過程でそれなりに時間を要するものだったため、このあたりで時間を上手く使えたかどうかがポイントになったかもしれません。そして、相変わらず、平面図形の問題は難しいものが出題されるなといった感想を持ちました。

問1.例年と同レベルの計算の基本問題が5問出題されました。[15点分]
問2.因数分解や2次方程式の計算など小問集合として6問出題されました。例年より1問多く出題され、24点分の配点となります。(カ)で久し振りに回転体(円錐台の体積)が出題されましたが、平易な問題でしたので、何ら問題なかったと思われます。[24点分]
問3.(ア)(ⅰ)三角形の相似の証明問題の穴埋めに関しては例年と変わらないものでした。(ⅱ)で△ADHの面積を求める問題が出題されましたが、今回の数学の問題の中ではおそらく正答率が一番低かったのではないかと思います。等脚台形に気づいたり、解き進めていくと30°、60°、90°の角を持ついくつかの相似な三角形を利用しながら答えに辿り着かなければならなかったので、かなり難儀なものだったと思います。例年、全体の正答率が1桁%のものがありますから、この問題ができなくても気にする必要はないと思います。(イ)では箱ひげ図が出題されました。箱ひげ図の出題自体は目新しいものではありませんでしたが、特筆すべきは会話文形式の出題だったということです。中学受験や大学受験ではよく見かけるものでしたが、県内の公立高校入試では初めての出題パターンだったと思います。内容的には四分位数の理解や会話文に秘められているヒントを上手く汲み取れれば問題なかったのではないかと思われます。(ウ)では2次方程式の利用が出題されました。テープが張られた部分の台形を直角三角形と平行四辺形に分割して全体の面積が求められればそれほど難しくはなかったと感じます。(エ)では中学受験クラスの5年生でよく練習する平面図形の問題が出題されました。△CBG≡△CDGに気づけば平易な問題と言えます。[25点分]
問4.例年通りの関数の出題です。今回は放物線と直線に加えて、反比例の双曲線が加わりました。それほど驚くようなものではなかったと感じます。例年、(ウ)で難度の高い問題が出題されていましたが、今回のものは比較的解きやすいものだったと思います。三角形の面積比でしたが、セオリー通り平行線が利用できれば、正答に辿り着けたのではないでしょうか。[15点分]
問5.確率の問題でした。30gと50gの重りが全部で15個あるので、取る個数が合わせて7個以下のときに80gの重りを取ることになり、このときの場合分けがしっかりできたかどうかがポイントだったと思います。[11点分]
問6.空間図形の問題でしたが、小問数が1つ減りました。例年、(ウ)で出題されていた最短距離の問題がポイントだったのですが、今年は出題されませんでした。(イ)では三角錐の1つの頂点から向かい側にある平面までの距離を求めるものでした。教室でも練習したことのあるパターンでしたから、安心して向き合えた問題だったと思います。[10点分]

 このようにコメントしていくと、配点が一番高いということもありますが、今回は問3が一つの山だったと思えます。前半部分ですから、ここで時間が取られてしまったようなことがあれば、もしかすると焦りに繋がったり、時間配分が狂ってしまった受検生もいたのではないかと思います。
 各単元、いろいろなパターンで出題されますから、日頃から様々な問題を解くように心掛け、入試では初見にあたる問題を少しでも減らしていく努力が必要だと感じます。(二宮)