現在、神奈川県には県立相模原中等教育学校、県立平塚中等教育学校、横浜市立南高等学校附属中学校、川崎市立川崎高等学校附属中学校、横浜市立横浜サイエンスフロンティア高等学校附属中学校の5校の公立中高一貫校があります。その中で、横浜市立横浜サイエンスフロンティア高等学校附属中学校に関しては横浜市在住の方のみ受検資格があるので、藤沢市在住の方は受検することはできませんので、お気をつけ下さい。
県教委のホームページでは県立学校における2025年度入学者募集に関する日程等が発表されています。新型コロナウイルスで大変だった頃からの流れを受け、今回もグループ活動は行われないことが決まっています。本当にやる意義があるもの、合否の総合的判断から外すことのできない検査であれば、いろいろと工夫して残す方向で話は進むのでしょうが、こうもあっさりなくしてしまうということはそれだけのものだったのかと思えてなりません。もともと基準が曖昧に思えていましたし、公立高校入試の面接同様、それを行ってどこまでその児童、生徒の力を把握できたのかにはとても疑問を感じていたので、むしろなくなって安堵しているというのが本心ではあります。
私の戯れ言はさておき、選考資料に関しましては適性検査(a点)と調査書(c点)となり、a:c=6:1の割合をもとに換算したそれぞれの得点の合計値(D値)の上位から合格者を決定します。因みに、調査書は小学6年12月末時点の全教科の評定です。募集定員は男女合わせて160名です。
神奈川県立中等教育学校の適性検査はⅠとⅡに分けられ、それぞれ45分の検査となります。適性検査Ⅰでは、情報整理・運用力や論理的思考力、課題解決力、表現力などが問われます。出題形式は、多数の資料から必要な情報を素早く読み取り、解答に必要な情報を手際よく探し出す問題や、複雑なルールを理解する問題などが出題されます。適性検査Ⅱでは、分析力、記述力、表現力などが問われる問題構成となっています。過去問題でしっかり練習しておかないと大人でも難しく感じるものが多い内容となっています。
特に出題傾向として面白いのは、検査Ⅰで必ず神奈川県に関する問題が出題されることでしょうか。例えば、2019年度は横浜の交通の歩みについて、2021年度は箱根の歴史について、2022年度は横浜ベイブリッジを取り上げ、橋の構造について出題されていました。2023年度は神奈川県の水力発電についてでした。正直なところ、これだけ幅広いと対策しようがありませんが、内容は面白いし、よく作られた問題だなと感心してしまいます。受検生は大変な思いかもしれませんが、楽しんで過去問に向き合ってもらいたいと思います。
公立中高一貫校をお考えの方は面談の席などでご相談ください。(二宮)