5月19日に行われた入試報告会をオンデマンドで参加させていただきました。4月に弊社で行いました親と子の私立中学受験講座第Ⅰ部でも取り上げましたが、神奈川県内の女子校は偏差値が軒並み下降傾向にあり、全般的に苦戦を強いられている状況です。その中で湘南白百合学園中学部も古くは60ほどあった偏差値が一昨年は47まで下がってしまいました。しかし、この5年ほどは様々な学校改革や施設の充実を図り、それが徐々に評価されてきたのでしょう。今春の入試結果を受けての湘南白百合学園中学の偏差値は52まで上昇してきました。そのような勢いのある学校の取り組みを伺うことを楽しみに報告会に参加した次第です。
 湘南白百合学園は創立87年目に入った伝統のある女子校です。この5年ほどの間に理科実験教室やICT機器を集約した教室であるMedia Lab、生徒達がのんびり寛げるLily Space、全面人工芝に張り替えたグラウンドなど大きくリニューアルしてきました。もともと環境に恵まれた立地に学園はあるので施設の充実はこれから入学を考えるご家庭にとって大きなプラス材料になると思われます。
 会の前半の主な内容は探求的な学びとICT教育の取り組みについてでした。高校で新たに「情報」という教科が新設され、それが大学入学共通テストにも受験科目として組み込まれることへの学園の姿勢を示されているのだ認識しました。情報の学びは情報科という一つの科目に留まらず、学校全体で育成していくものだと校長先生はおっしゃっていました。ですから、英語や音楽、数学や社会、国語、探求といった教科を巻き込んでICT教育に取り組んでいくということです。つまり、「情報」という教科は全教科のハブ的存在として位置づけていくということなのです。中学1年生から高校3年生までにおける情報の取り組みのシラバスを拝見しましたが、学校の本気度が伺えるものでした。また、2020年から始めている探求講座では、鎌倉学園の生徒と一緒に古文書を解読したり、栄光学園とのドローン講座、聖光学院との東大先端研リサーチツアーなど他校と連携して様々な取り組みを進めているそうです。
 このような情報や探求の取り組みを考えると、明らかに公立学校では行えないことなので、情報・探求という新たな課題について考えた場合でも私学進学を選択する価値はあるのかもしれません。
 2024年度入試の変更点がありますので、記しておきます。4科入試は従来通りです。また、国語1科・算数1科入試の日程等も従来通りです。しかし、1科入試に関しましては、2月1日15:30~の入試では国語・算数の併願が可能になります。例えば、15:30~国語を受験して、16:30~算数を受験することが可能となります。あくまでも1科目入試なので、国語は国語、算数は算数での選考になり、2科目合算での選考とはなりません。受験生によっては国語と算数の両方で合格を勝ち取る児童もでてくることでしょうが、受験機会が増えることは湘南白百合学園中学を上位志望しているお子さんにとっては良いことだと思います。
 ここでは、主だった部分しかご報告しておりませんので、ご興味のある方はおっしゃっていただければいろいろとお伝えできることもあると思います。一番良いのはやはり学校まで足を運んで生の情報を得ることだと思います。学校説明会等を大いに活用していただきたいと思います。(二宮)