昨年の4月に県教委から発表がありましたように、新中学3年生の学年から県内公立高校の入学者選抜制度にいくつかの変更があります。
 一番の変更点は、共通選抜と定通分割選抜で全員に課せられていた面接が廃止されることです。(通信制の検査では「作文または面接」とされていましたが,実際には面接は実施されませんでした。)ただし、面接は特色検査として残され、各校の判断で特色検査として実施できるようになります。
 次の変更点が、調査書の第3学年の観点別評価のうち「主体的に学習取り組む態度」が以下のように点数化され、評価対象となります。
 A=3点、B=2点、C=1点 とし、(C)=9教科×3点=27点満点[なお、3教科の範囲で2倍まで重点化することができます。]
 これと従来の(A)と(B)が加味されて、神奈川方式として独自の計算が為されます。
・調査書の評定(A)=2年生9科計+3年生9科計×2=135点満点[なお、3教科の範囲で2倍まで重点化することができます。]
・学力検査の得点(B)=5教科×100点=500点満点[なお、2教科の範囲で2倍まで重点化することができます。]

 これにより、選抜方法が以下のようになります。
【第1次選考】募集人員の90%までS1値に基づいて選考します。
 AとBをそれぞれ100点満点に換算し、aとbとします。
  A×100÷135=a(100点満点)
  B×100÷500=b(100点満点)
 aとbに2以上の整数f、gを掛けます。(fとgは合計して10になるようにします。)
  S1=(a×f)+(b×g)=1000点満点
 特色検査(D)を実施する場合は、Dを100点満点に換算したdに1から5の整数iを掛けます。
  S1=(a×f)+(b×g)+(d×i)
 (※iが1のときS1の満点は1100点、2の場合は1200点満点になります。)
【第2次選考】募集人員までS2に基づいて選考します。
 BとCをそれぞれ100点満点に換算し、bとcとします。
  B×100÷500=b(100点満点)
  C×100÷27=c(100点満点)
 bとcに2以上の整数g、hを掛けます。gとhは合計して10になるようにします。
 S2=(b×g)+(c×h)=1000点満点
 特色検査(D)を実施する場合は、Dを100点満点に換算したdに1から5の整数iを掛けます。
 S2=(b×g)+(c×h)+(d×i)
(※iが1のときS1の満点は1100点、2の場合は1200点満点になります。)

 第1次選考では、トップ校の中には(A):(B)が2:8と入試を最重視する学校が出てくるかもしれません。一方で、第2次選考では調査書は使用されていませんでしたが、これからの入試制度では第2次選考において調査書に記載されている観点別評価の「主体的に学習に取り組む態度」が活用されますから調査書の重要性が増すことになります。
 いずれにしても、今までと変わらず、内申点も重要ですし、実力をつけていかないとハイレベルな戦いでは勝負できないということには変わりません。己の目標のために弛まぬ努力を続けることが合格を勝ち取ることに繋がります。このことを信じて、新中学3年生の皆さんにはこの一年間をしっかり乗り切ってもらいたいと思います。(二宮)