間もなく近隣の二学期制の中学校では前期の内申点が出されます。それに先立って期末テストが行われました。塾の生徒たちには得点結果を提出してもらいその反省点や良かった点などその都度確認をしてもらっているのですが、ある学校の中学一年生の得点分布表を見せてもらいました。驚いたのは数学や英語など主要科目の中心的な科目の得点で、全体の二割くらいの生徒が一番低い得点層にあるということです。(幸い我が塾の生徒はそこにはいませんでした。)学力に差が出ることは当然ですが、ここまで偏ってしまうことや中学一年生という学年でこの状況というのは少し意外でした。学校の指導が云々ということではなくて、その状況を是とする環境に驚きました。
 コロナ禍で小学5・6年を過ごしたということも少なからず影響しているのかもしれませんし、家庭の経済的な理由で学校以外の学習ツールを活用できないなど様々な理由が考えられます。この事が一部の中学校だけの問題であれば大きな問題ではないかもしれませんが、全国規模で起きているならば、コロナの代償としてはかなり大きなものと言えます。もちろん地域の学校同士で情報の共有はされていると思いますが、地域ぐるみや県や国レベルでも状況を把握して早急に手を打つ必要があるのではないでしょうか。
 学力低下がどのような状況であるのか誰が把握し、そして行動を起こすのか、私にはよく分からないのが現状です。責任の所在とはどこにあるのでしょうか。教育は待った無しとよく言われるように子どもたちの大事な日々は確実に一日ずつ消化されていってしまいます。 (吉川)