5年受験コースの授業では表現技法を学んでいます。比喩法だとか倒置法、体言止めなどその形から効果などを学習しているのですが、その中に反語というものも含まれています。助詞の「か」を文末に置いて反対の言葉をそのあとに連想させるもの、たとえば「果たしてうまくいくだろうか。」の「か」にはその後に「いや、いかない」を想起させる働きがあります。これを反語①として学習します。そしてもう一つ反語②としてアイロニー、皮肉、風刺などの意味を持つ反語を学びます。この用法には多分に嫌味というか悪意が内包されています。このクラスの生徒たちはみんな素直なので、この用法がどうもピンとこないようです。殊更嫌味の部分を誇張して例を挙げてみると少しずつ理解が進んだようでした。そこで私が「どうやら上手く理解できたようですね。また一つ賢くなりましたね。」と他意無く発した言葉に生徒の一人が「先生、それは皮肉ですか?」とやられてしまいました。すると他の生徒も「先生はよく僕たちに『皆さんは優秀だから』というのもアイロニーですか?」と言い出してしまいました。こんな反応ができるくらいに反語は身に付けてくれたようです。ですが、これから、これは反語でこれは本意といちいち断るのは勘弁してもらいたいところです。  (吉川)