来週から夏休み講習会がスタートします。一足早く学校では夏休みに入っていますが、塾の講習会は来週の月曜日からとなります。夏休みは学校が無い分、自由になる時間が増え、集中して何かに打ち込める貴重な時間でもあります。しかし、一方で何の目的もなければ、無為に過ぎて行く不毛な時間の積み重ねとなってしもうかもしれません。向田邦子さんがエッセイで「若い頃の一分一秒を無駄にしてしてしまい惜しむ気持ちは、人生という長い時間の流れの中でみれば、たいしたことではない」というようなことを書いていましたが、全くその通りだと思います。ただし、大切なのは、一分一秒を惜しむほど何かに打ち込んでいるかどうかということだと思います。スポーツ然り、勉強然り、受験然りです。
時間に期限がなければ、時間を惜しむといった感想は出てこないのかもしれませんが、何か明確な目標、日限があれば、より一層集中力が増すことも事実です。心の平穏を保つことはある意味理想の状態であります。しかしそれは無為に過ごすことではありません。失敗を恐れて前に踏み出せない人もいるかもしれません。しかし踏み出さないことには前には進めません。向田邦子さんも「若い頃の失敗は、人生の肥やしであり、糧になる」と書いています。その時は心の中の大部分を占めている自分にとっての大事件も十年後、二十年後の自分から見れば些細な取るに足らない出来事に変貌していることは普通にあることです。
この夏は惰性からの脱却を目標に励んで欲しいと思います。 (吉川)