「酒は百薬の長」などといいますが、近年日本ではお酒を飲まない人が増えてきているそうです。かくいう私個人も何かのっぴきならない状況以外ではまずお酒を口にすることはありません。体質的にも酒量が増えると体中に湿疹が出たり、そもそもお酒を美味しいと思ったことがまずありません。仲間の酒豪達からは可哀想にと憐れみの言葉をかけられます。かといってお酒の席が嫌いかというとそんなこともありません。学生時代や就職して間もない頃は誘われた酒席はまず断りませんでした。仲間内でも素面の私は皆を送り届ける重責を果たす貴重な戦力として歓迎されていたようです。ここ最近はコロナの影響でそういった集まりは無くなりましたが、状況が好転すれば是非また皆で集まりたいと心より思います。
さて、上記の「酒は百薬の長」という話ですが、何かの記事で適度の飲酒は心筋梗塞の予防になるというようなことを読んだことがあります。そこには詳しい調査の結果が記載されていたような気がします。一方で、時も場所も異にして目にした記事には飲酒によって食道癌のリスクが高くなるという内容のものがありました。どちらの記事もそれなりに信用に値する調査の結果が付記されていたように記憶しています。何事においても一長一短というものがあるようです。お酒が好きな人は前記の記事を信奉し、お酒を嗜まない人は後記の記事で溜飲を下げるといったことなのかもしれません。
たしか、吉田兼好は「徒然草」の中で『「酒は百薬の長」とはいうけれど、万病の元になっている』というような事を書いていたはずです。鎌倉時代から現代までこの言葉の使われ方の感覚は変わっていないのかもしれません。(吉川)