2月10日は私立高校の入試日です。そこで私立高校の入試について触れたいと思います。

公立高校を受検(学力検査を受ける)するほとんどの生徒が私立高校を受験(入学試験を受ける)します。”併願”、”スベリ止め”という呼び方をする受験のしかたがこれにあたります。志望校決定でもまず私立高校の受験先を年内12月に決定し、その後最終的な公立高校の受検先を決めることになります。

なぜ、私立高校を受験しなければならないのか?
これには2つの理由があります。1つは入試日程です。神奈川県では多くの私立高校の入試日程が2月10日、11日で翌日発表が行われます。一方の公立高校の入試・発表は私立高校入試日程よりも遅く、今年度でいえば入試が2月14日、発表が2月28日になります。よって私立受験は万が一の場合に備えての”保険”という意味合いがあるかと思います。

もう一つの理由は、公立高校の募集人員と選抜方式です。公立中学卒業予定者数概ね67000名に対し、全日制公立高校の一般募集人員は約62%にあたる42000名程度になります。つまり公立高校進学を望んでも全員が進学できないということです。今年度は全日制約41000名の募集定員に対し約48000名の志願者がいます。平均競争率は1.17倍になっています。
選抜方式をみると、多くの学校が学力検査4割、内申4割、面接2割の比率を取り入れています。さらにトップ校・準トップ校と呼ばれる進学校では比率を5:3:2(横浜翠嵐は6:2:2)にしていたり、5教科の筆記試験に加えて”特色検査”を導入したりしています。入試の難化や面接など、当日の出来が合否を左右する選抜では、万が一を考え私立受験をせざるを得ません。

絶対ということではありませんが、公立高校の受検する、すなわち私立高校を併願するものだと理解していただければよいと思います。

これまで述べてきた私立高校の併願受験ですが、数年前からその受験方法が変わり始めました。私立入試といえば英語・数学・国語の3教科の筆記試験が一般的ですが、最近は”書類選考”という選抜方式が増えています。これまでにも私立高校の推薦・単願では導入されていましたが、私立高校と公立高校の入試日程が近く受験生の負担も大きくなるため、筆記試験を行わない書類選考型を取り入れる学校が多くなってきました。県内では2009年に鎌倉学園高校が初めて導入した書類選考型の選抜方式は、私立受験の学校選びのポイントの一つになりそうです。