授業をしている中で最近少し気になっているのは、通塾するということに関しての生徒の目的意識がはっきりしないというか、向上心があるのか無いのか分からないという生徒がいるということです。学校とは違って塾というのはその目的ははっきりしていて、知識や学力の充実を図る、つまり成績を上げるとういう講師と生徒の間の最低限度の共通理解があったように思います。実際のところ家庭の方針でイヤイヤ通塾させられているといった低学年に見られるケースや高学年でも友達が通っているから塾に行くという主体性のない通塾動機などは目にしたことがあります。そんな動機で通塾を始めてもその途上で受験や模試などに触発されて学習に対するモチベーションが上がってくることが普通なのですが、その受験学年になっても、学習の姿勢が変わってこない生徒が中にはいるといことが少し気になっているのです。
そのような生徒に共通しているのが、授業中に指名しても解答することを拒否したり、ノートを手で隠したり、思考をせずに「分からない」を連呼したり、これは稀ですが挙げ句の果てには感情的になって泣き出したりする生徒までいます。彼らの心理を慮れば、極度の自信の無さの表れであったり、間違えを起因とする羞恥を回避したい心持ちだったり、たまたまナーバスな心情を有しているタイミングだったのかもしれません。これらの反応は低学年であれば合点のいくことも多々あるのですが、高年齢化してきているような気がして違和感を感じているのです。どのタイミングでこの生徒たちは学習に向き合っていけるようになるのか心配になってしまいます。
私としては間違っていても恥ずかしいと思わずに発言が出来る授業環境作りなどに心を砕くことは当然なのですが、それを生徒の個性として受け止める心構えも持たなくてはならないと最近特に思います。         吉川