「渡される量は同じでも、手に入れる量は違う」国語のテストで特に文章読解においては私はいつもこんな感想を持ってしまいます。テストでは受験者全員に全く同じ問題が手渡されます。しかし、全員が満点を取る訳ではありません。全問解くことが出来る人もいれば、半分しか解くことの出来ない人もいます。それが能力の差というものなのでしょう。ではその能力を向上させるためには何が必要とされるのでしょうか。実力とか集中力とか暗記力とかいう漠然としたものがなければいけないような気がしますが、要は心の持ち様が一番大切なのでは無いかと思います。そんな単純なことで成績が上げれば苦労ありませんが、等しく志を高く持ち続けることがいかに大変であるか。
50分という授業の時間は皆一律に与えられます。その中で顔を伏せ丁寧にノートを取ることに情熱を燃やす生徒がいる一方で、こちらの説明に対して、顔を上げ黒板の文字と講師の説明を頭の中で反芻する生徒もいます。この生徒は板書に関してはそれ程熱心ではありませんが、頭を使って授業を受けている生徒の典型と言えます。むろん後者の生徒の方が前者の生徒よりも、一度の授業で多くのものを手に入れていると言えます。
つつがなく日常が過ぎて行くと、誰もが生活にマンネリを覚えます。そこに埋没するのか、新しい一日がやって来たと新鮮な感覚を持ち続けていけるかが一つの分かれ目なのかもしれません。何にせよ受け身の姿勢だけでは現状維持がいいところなのではないでしょうか。                                   吉川