毎年冬休み講習会には湘進プラスの生徒を連れて凧揚げに行っています。例年は凧揚げですから年明けに出掛けているのですが、今年は講習会の日程上年内に催行することになりました。一昨年、昨年(厳密に言えば今年)の凧揚げでは風に恵まれず、一昨年に至っては生徒たちのやる気にも恵まれず、私一人で童心に返って時間の許す限り凧揚げをしていました。そんな状況でしたので、今年の私の凧揚げにかける意気込みは並々ならぬものでありました。

当日は快晴とはいきませんでしたが、雨も降らず、グランドコンディションもまずまずでした。ところが、一番恐れていた無風状態です。初めの10分程はどの生徒たちも何とか凧を揚げようとやっきになっていましたが、全力疾走による疲労と子供独特の忍耐力の無さから凧を手放す生徒は一人増え、二人増え気が付けば私一人が凧を手にしていました。隣の広場の遊具からは凧揚げでは聞けなかった生徒たちの楽しげな笑い声が響いてきます。私もスゴスゴと生徒たちの放置した凧を片付けて一人寂しくベンチに腰掛けて遊具に戯れる彼らを見守っていると、奇跡が起きました。しっかりとした風が私の頬を打ち付けていきます。

半ば強引に生徒たちを連れてもう一度凧揚げに挑戦させてみると、先程の全力疾走が嘘のように凧が自ら天高く舞い上がっていきまいた。この瞬間、無風状態の生徒たちの心にも大風が吹いたようです。かなり長い間凧を飛ばしていましたがこちらから声を掛けるまで飽きることなく凧揚げを満喫してくれたようです。帰りに一人にの生徒が「凧揚げって楽しいね。」と私に感想を述べてくれました。来年はもっと立派な、糸の長い凧を用意してあげようと思いました。              吉川