ぶった切り計算

 当教室では、計算の宿題はすべて当教室で配布した解答用紙に書いて提出してもらうようにしています。実はこの方式は、算数科教師には結構な負担になるやっかいなものなのです。
 生徒には答えだけを書くのではなく、途中の計算式も書くように言ってあります。正直なところ、すべての答案の途中式を見ているわけにはいきません。特に注意して見るのは、正解と大きく異なった解答だったり、非常に面倒な計算をしている答案などです。
 単純な計算問題ならともかく、少し複雑な計算問題になりますと、その解法にも一定の順序があります。間違った答を出している答案には、この順序を無視したか、あるいは順序を知らずに解いている場合が多いのです。ですから、単純に「計算ミス」では済まされないのです。
 最も典型的な誤った解法は、「ぶった切り計算」とも言うべき解法です。与えられた計算問題をいくつかの部分に分け(ぶった切り)、部分ごとに計算してそれをまとめる方法です。
 こんな簡単な例題を出しましょう。
 15÷3×5= の計算を
 15÷3=5
 5×5=25 と計算する方法です。
 これは、一応正解は得られています。でも、
 5÷3×15= となれば、とたんに「割り切れない・・・」となってしまいます。
 10-13+5= の計算も同じことが言えます。
 最も犯しやすいミスは、円周率を用いた計算です。
 5×5×3.14-3×3×3.14= の計算を
78.5-28.26=50.24
 とする方法です。答えがあっていればそれで良いというものではありません。計算問題一つにも合理的な計算方法があります。
 いったい、誰がどこで誤った方法を生徒に教えているのかと考えてしまいます。学校の教師なのか、親なのか。あるいは、生徒が自分勝手にこのような計算方法を編み出しているのでしょうか。
 私は、このような「ぶった切り計算」をして解答している生徒には非常に厳しく注意します。
 つまり、このような間違った計算をしている答案を見つけ出して、個々に指導するための解答用紙が当教室の計算問題解答用紙なのです。
 たかが計算問題、されど計算問題です。「3.14のかけ算は一度だけ!」長年にわたる当教室算数の授業での合い言葉でもあります。