7月に、神奈川県教育委員会のホームページ上で、2022年度神奈川県立中等教育学校の入学者募集に関する日程等が発表されました。それによると、2021年度に引き続き、2年連続でグループ検査を行わないことが決定しました。
 これにより、選考資料は適性検査(a点)と調査書(c点)となり、a:c=6:1の割合をもとに換算したそれぞれの得点の合計値(D値)の上位から合格者を決定します。因みに、調査書は小学6年12月末時点の全教科の評定です。
 そして、今回は更に変更点があります。2021年度までは男女各80名の合格者を決定していましたが、2022年度の募集は男女合わせて160名の合格者を決定することとなりました。 
 現在、神奈川県下には公立中高一貫校が5校あります。県立中等教育学校2校以外に横浜市立が2校、川崎市立が1校ありますが、間違いなく、県立中等教育学校は県下一算数重視の傾向にあります。検査Ⅱで小作文を含みますが、基本的には数や図形を利用した論理を求める算数的応用問題が中心です。この対策をいかに行えるかが合否のポイントとなります。同じ算数重視の横浜市立南附属のような難問であったり、計算が複雑なものが出る訳ではない分、解きやすさは感じますが、検査Ⅰ・検査Ⅱともに45分という時間の中で解き切るには別の意味での難しさがあります。過去の適性検査問題をたくさん解いて練習を積み重ね、時間配分を含める中で論理的思考力、判断力、計算力や問題処理能力を養成していかなければなりません。
 検査Ⅰでは、神奈川県に関する問題が頻出です。2021年度はNHK「ブラタモリ」からの内容を含む箱根の歴史について、2020年度は横浜市にあるシルク博物館を取り上げ、横浜とシルクの関わりについて、2019年度は横浜市電保存館の見学から横浜の交通の歩みについて出題されました。検査Ⅱでも神奈川県の伝統野菜について出題されましたし、この他にも、物理的なバリアとバリアフリーから心のバリアとバリアフリーについて発展させた内容が出題されています。小学6年生にとって多少難しいものも含まれますが、内容的にはとても勉強になるものが多く、面白いものばかりです。合否が拘わることなので大変ではありますが、できることなら楽しんでこれらの過去問題と向き合い、取り組んでもらえればよいと思います。(二宮)