現実に目を向け、歴史を学ぶ

 今日9日はアメリカにより長崎に原爆が落とされた日です。その前日の8日には、ソ連が突然満州に攻め込んできました。このことにより、多くの民間日本人が殺され、捕らえられてシベリアに送られて強制労働をさせられ、あるいは命からがら日本に逃げ帰った人の中にも、幼い子どもと離ればなれになった人たちもいました。中国に残された幼児が「日本人中国残留孤児」として、その後大変な苦労をされたのです。
 ソ連軍はまた、千島列島にも侵入し、それは日本がポツダム宣言を受諾した15日の後も続きました。樺太(サハリン)からも多くの日本人が北海道に引き揚げました。樺太引き揚げ船が私の生まれ故郷である北海道留萌沖の海上でソ連軍の潜水艦からの攻撃を受け、1700名を越える婦女子が犠牲となる事件も起こりました。これらのすべてが1945年8月におこったことです。日本と日本人にとって、8月はとても重い月です。
 この時代の悲惨さについては、五味川純平さんの『人間の条件』、山崎豊子さんの『大地の子』、浅田次郎さんの『終わらざる夏』などで紹介されています。NHKのドラマ「開拓者たち」も秀逸でした。
 
沖縄はアメリカから45年前に返還されたとはいえ、いまだに県の面積の1割が米軍基地です。神奈川県にも厚木や横須賀に米軍基地があります。北方領土は日本固有の領土だといくら訴えても、ロシアがいずれ返還するとは思えません。
 米軍基地問題でも、北方領土問題でも、多くの日本人にとっては理不尽な、納得のいかない問題であろうと思います。どうしてこうなのか、その理由ははっきりしています。日本が戦争でアメリカやソ連に負けたからです。
 では、なぜ日本は戦争に負けたのか。あるいは、なぜ負けるような戦争を始めたのか。このことを考えるきっかけとして、歴史があるのだと思います。歴史を学ぶことを通じて過去を反省し、あるいは過去から学ぶべきことはそれを活かす。このことによって、より良き未来のことを考えること、そしてその中で将来の自身の歩むべき道を考えることが出来れば、素晴らしいことだと思います。
 夏休みです。子どもたちにとって、理想は「終わらざる夏」でしょうが、そうはいきません。夏休みが終わる前に、日本の歴史につながる本をせめて一冊は読んでくれることを願います。