Daily Archives: 2019年7月2日

しっかり考えることです

 現在、7月20日に行われる「親と子の私立中学受験講座Ⅱ部」に向けて、今春行われた入試問題を分析していますが、今春の入試問題を改めて見ても、傾向はほとんど変わっていないことがわかります。入試で見られるような算数問題の基本的な解法は同じですから、そういう意味では他教科よりも対策は立てやすいのではないかと考えます。
 しかしながら、対策の立てやすさとは裏腹に、算数の問題を解くためには「問題をよく読んでどう解いていくかの指針を考える」や「粘り強く取り組む」などの要素が必要になります。これが一筋縄ではいかないため、途中で諦めてしまったり、それを見かねた周りの大人が多く介入し過ぎてしまい、最終的には自分で考えることをしなくなってしまうという負の連鎖に陥ってしまいます。こうなると大変です。核となる思考することをしなくなるわけですから、算数を感覚で解くようになってしまいます。ここでいう感覚とはもちろん悪い意味での感覚です。見た目で解いたり、何となくだったりということです。
 私の授業では生徒とやり取りしながら問題の解き方を確認し、場合によっては指名して当てることもよくあります。算数の苦手なお子さんほど思考せず、感覚で解いてしまう傾向にあります。例えば、平面図形の角度の問題で、「これが二等辺三角形だから、この角が40度で・・・」と始まります。「この三角形はどうして二等辺三角形だとわかったの?」と尋ねると「見た目で!」「何となくそう思ったから」というような答えが返ってきます。問題文のどこを探しても二等辺三角形になるための条件など書かれていないのに勝手に二等辺三角形だと決めつけ、問題を解き進めてしまうのですから、これは算数を解く上で致命的といわざるを得ません。
 算数の力を伸ばすためには、とにかくしっかり思考することです。これを普通にできるまでには多少の時間を要してしまいますが、「ああでもない、こうでもない」と考えながら問題に向き合う姿勢をつけることが算数の真の力をつける秘訣です。そのためには人の力に頼りすぎない、つまり自立することを心掛けるべきでしょう。
 各中学校の入試結果を見ますと、四科の中で合格者平均と受験者平均の差が一番大きいのが算数です。つまり、ここでの差が合否にも大きく影響している訳ですから、算数を得意としているお子さんが入試で大きなアドバンテージを持っているということになります。
 世の中はAI時代に突入し、何かと論理的思考力が身についていないと厳しい時代になってきています。入試形態の多様化が進んでいる昨今ですが、算数1科入試が増えているのは時代の流れからこのような能力を持った生徒に入学してもらいたいという学校側の意図がうかがい知ることができるものです。
 生徒の皆さん、まずは基本問題だけで構いませんから、しっかり考え、きちんとした筋道で算数問題を解くことを心掛けていきましょう。初めは時間がかかるかもしれませんが、慣れてくればその時間は少しずつ短くなっていきます。遠回りと感じられるかもしれませんが、算数を得意にするための近道だと信じ、粘り強くやり抜くことをお勧めします。そのためのバックアップは全力でさせていただきます。