Daily Archives: 2018年2月7日

戦い済んで

 毎年毎年、中学受験生を送り出す度に、十分に教えきれなかったことへの反省がよぎります。そして、必要にして十分な学力を身につけさせられないままに入試日を迎えたことへの不安が入り交じり、ついつい暗鬱な気持ちのままに受験生を送り出すことの連続でした。
 それでも例年は、どこかにある程度の勝算はあり、事実、受験生たちは私たちの期待を裏切らない結果を出してくれていました。
 ところが、今年に限っては心底「まずい」と思わざるを得ませんでした。それは、受験生の完成度が今までになく不十分であるように感じられたからです。模試の偏差値が高くても、どこかに脆さを感じさせる受験生や、そもそも基礎力が最後まで備わらなかった受験生、何度言っても真剣に勉強に取りかかろうとしない受験生が少なからず存在したからです。数年間続いていた「全員合格」の記録も、今年ばかりは厳しいだろうと半ばあきらめ、覚悟を決めていました。
 これを杞憂というのでしょうか。ふたをあけて見れば、今年も全員が合格を果たし、しかも多くの生徒が第一志望校合格でした。なぜこのような結果につながったのか、入試の嵐がようやく収まり、多少精神的に余裕のできた今、冷静にこの結果を分析しているところです。
 運がよかったからなのでしょうか。確かに、猛威を振るっていたインフルエンザにひとりの受験生も罹患することなく受験できたことは幸いでした。しかし、このことはご家庭での行き届いた対策のたまものであり、単にラッキーだったわけではありません。そもそも受験の世界には「運悪く不合格」になることはあっても「運良く合格」になることはあり得ません。だから、梅ヶ枝餅のおかげでも太宰府天満宮のお守りのおかげでもありません。
 中学受験そのものが易化したからなのでしょうか。そんなことはありません。私学の受験者数は増加しており、中でも大学付属校の人気は高まっています。特に、今回当教室から受験した三名全員が合格した青学横浜英和はマスコミでも取り上げられたほどの人気の高まりでした。
 合格ラインを下げて受験した生徒が多かったのでしょうか。まったく逆で、合不合判定テストでは合格可能性20%以下であった生徒がたくさんいます。そもそも合不合判定テスト結果を私たちはあまり参考にしていません。
 私が臆病で、慎重すぎたのでしょうか。このことは言えると思います。最後の最後、土壇場になってからの受験生たちの意気込みが私の想像を越えていたともいえます。私が生徒たちをそこまで信用していなかったとも言え、まことに申し訳ないことでした。
 しかしながら、一番の勝因は、当教室生の学習量の多さにあったのではあるまいか、との考えに落ち着きました。授業、質問室、補習、道場での時間を総合すると、おそらく、他の進学塾の生徒さんたちよりも多くの学習量をこなしてきたはずです。このことが、ジワジワと学力や精神力となって身に付いてきたのだろうと思います。
 当教室には選抜テストがありません。「普通の生徒」どころか、失礼ながら最初は普通以下の学力から始まった生徒もいます。ゼロからスタートして高い学力を身に付けるには努力すること以外に近道はありません。このことを改めて思い知らせてくれた今年の受験生たちでした。
 途中であきらめたり、方針を変えて抜けていった生徒の多かった学年でもありました。そんな中、残った生徒は最後まで頑張り通し、いろいろなことを乗り越えてここまで来ました。本当にお疲れ様でした。